弁理士のサイエンスコミュニケーション

研究職として働く弁理士が思うサイエンスのあれこれ。

色水の実験(こうさつ編)

前回執筆した記事の実験をした直後、特に指導もしてないのですが、長女がレポート(の様なまとめ)を描いてくれました。

taurus-patent.hatenablog.com

 

娘のレポートについて

実験レポート①結果のまとめ

実験レポート②目的と考察

「めあて」とか学校で指導されるのかな?
まだ小学2年生なので、今のカリキュラムでは理科は未だ習ってないと思いつつも、こういう視点を教えてくれるのはとても楽しい。

 

色の変化について

今回「色水」として得られた色の正体は「アントシアニン」という化学物質です。

アントシアニンは、植物に自然に存在する色素です。この色素は、植物の花や果物の色をつける役割を果たしています。

そして、このアントシアニンは、酸性やアルカリ性などの環境によって、その色調が変化するワケです。

具体的には、多くのアントシアニン類は酸性な環境にあるトキ、赤色やピンク色を示します。例えば、イチゴやラズベリーの果実は酸っぱくて(つまり酸性)、その色は鮮やかな赤色になっていますよね!?

一方、アルカリ性の環境にあるトキは、青色や紫色に変化します。アルカリ性の果物のイメージが湧かなかったので例えが無いのですが...(ブドウの皮と苦いし紫だし、そうなのかな?)

こんな感じで、アントシアニンの色調は、その環境のpH(水溶液の酸性度やアルカリ性度)によって自然界でも変化しています。

 

色の変化を化学的に考える

ちなみに、今回採取された色素は、アントシアニンの中でも「デルフィニジン」と呼ばれるものだそうです。(ソース不確かなので信じないで下さいw)

仮に、デルフィニジンとした場合、中性から酸性領域にすると、こんな化学反応が起きます。

Delphinidin

この反応の結果、酸性条件下ではピンク色っぽくなります。

同じように、アルカリ性条件下では別の反応により、緑色になります。

化学的には共役二重結合といって、図の中の二本線と一本線の交互の繰り返し単位が長くなったり短くなったりすることで、色調が変わります。

 

パパの回答

娘のレポートに「パパの回答欄」らしき枠がありましたので、ソチラを記入してレポートの返却をしました。

姫海月の回答

レポートを描いてくれたり、あとで話を聞いたりしていると、今回の実験はとても楽しかった様子。

「またパパと実験したい~」と言ってくれたので、また次ネタを考えて色々教えてあげたいと思いました。

 

おまけ

色が変わる実験で「薄い水酸化ナトリウム」を使いました。

ちょっと危なかったので、次女(3歳)が触ろうとした際に、うっかり大声で注意してしまって、次女的にはショックだったみたいです...。

実験には危険がつきものなので、気を付けたいですね!